藤和不動産のモノづくりへの想いがつまった会報誌「BELISTA」。コンテンツの一部がご覧いただけます。



「住まい」と「暮らし」に関する、気になることや知りたいこと等、みなさまからのご意見・ご要望をお待ちしております。

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 「長崎」と聞けば、九州の長崎県を思い浮かべる方が多いのでは。しかし、長崎という地名はほかにも各地で用いられているのだそうです。今回ウォッチャーが訪ねた西武池袋線「東長崎」駅周辺もそのひとつ。線路を隔てた北側には「長崎」、南側には「南長崎」と呼ばれる街が広がります。
  長崎は豊島区の西部にあって、練馬区・中野区・新宿区などと隣接します。「池袋」駅まで2駅5分でアクセスした後は、各線に乗り換えることで自由な移動が可能。それでいながら、立ち並ぶ住居や商店にどことなく懐かしい下町の香りを感じるエリアです。
  かつて周辺には多くの芸術家がアトリエを構えました。漫画家が集った「トキワ荘」があったことでも知られ、今でも芸術系の大学があるなど、何かと芸術と縁のある土地柄でもあります。さて、ウォッチャーが見たものとは?
30代男性。昨年末に買ったCD・MDコンポがお気に入り。聴きたくても聴けなくなっていた数百枚のMDたちを数年ぶりに楽しんでいます。
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生活に便利な2つのスーパー
 「東長崎」駅の駅舎は、まだ新しそうな雰囲気でした。調べてみると、国の「駅・まち一体改善事業」という再開発事業の一環で2008年(平成20年)6月に立て替えられたばかりなのだそうです。駅舎にエスカレーター、エレベーターなど、バリアフリーに配慮した設備が整えられただけでなく、駅前の広場や駐輪場も合わせて造られました。
  この新しい駅のすぐそばには、2つのスーパーがあります。
  開放感のある北口広場を抜けてさらに北に進んだところには東急ストアがあります。店内は多くの買い物客で賑わっていました。
  また、南口のすぐ向かいには西友があります。駅から続く屋根の下を歩けば雨の日もぬれずに店舗まで歩くことが可能。24時間営業なのも嬉しいところです。
  駅前に出れば生活必需品には事欠かないでしょう。2つのスーパーは駅を通り抜ければすぐなので、両方とも行って商品を見比べるのも楽しそうです。
[東長崎東急ストア]
豊島区長崎5-1-31/03-3554-0109/10:00〜23:00
[西友東長崎店]
豊島区南長崎5-33-7/03-3952-0251/24時間営業
東急ストアは北口を出て少し歩いたところにあります。
西友。写真左下の屋根が駅から続いているので、雨でも安心です。
 
春が待ち遠しい千川通り
 駅南口を離れ、そこから西進すること数分。豊島区から練馬区へと入るあたりで「千川通り」に出会いました。かつてこの周辺には千川という川がありました。現在は地下水路となっているためその姿を見ることはできませんが、通りの名前にはそのまま残っているというわけです。ここを起点に上石神井まで、およそ8キロメートルにわたって道は続き、やがて青梅街道に合流します。
  車道に沿うようにして植えられている木は桜。1915年(大正4年)、天皇陛下のご即位を祝った地域の住民が千川沿いに桜や楓を植樹したことにちなんでいます。春には満開の桜が通りを彩り、多くの見物客を喜ばせるのだそうです。
  春になった千川通りを想像しながら、いつの間にか隣の「江古田」駅まで歩いてきてしまいました。駅周辺には武蔵野音大や日大芸術学部、武蔵大などの大学があります。細かい路地に昔ながらの商店と新しい商店が混在する、まさに学生街といった印象を受けたウォッチャーでした。
[江古田銀座商店街]
千川通りの並木道。車で走るのも楽しそうです。
江古田銀座商店街の入口。千川通りに面しています。
 

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知る人ぞ知る名店で舌鼓
  江古田より取って返して再び「東長崎」駅へと戻ってきたウォッチャーは、駅南口のレストラン「セビアン」に入りました。伝統的な洋食店の店構えは、品のある雰囲気をかもし出しています。大切に育てられたレストランだということもまた、感じられます。
  店主はフランス料理出身、2代目はイタリア料理出身ということで、両方の料理が味わえる点も魅力。フォアグラのテリーヌ、ハマグリと空豆のリゾットなどといった日替わりメニューを楽しみにしている客も多いようです。
  スイーツのお持ち帰りなら「オディール」の「魔女の指」がおすすめ。オレンジピールをチョコレートでコーティングして、ココアをまぶした一品です。少し、おっかない名前ですね。見た目は確かに、長い魔女の指を思い起こさせます。
  口に含んだ途端、チョコレートのなかからオレンジの甘い香りが広がります。ついつい次の一本に手を出してしまって、あっという間に完食。お酒とも合いそうなこの上品な味わいは、まさに魔女の魔法のなせるワザなのかも?
[セビアン]
豊島区南長崎5-16-8 平和ビル1F/03-3950-3792/昼11:30〜15:00 夜17:30〜23:00(月曜定休)
[オディール]
豊島区長崎4-30-2/03-3959-6452/9:00〜20:00(水曜定休)
セビアンはフランス語で「C'est bien」とつづります。「すばらしい!」といった意味。
こちらがオディール。魔女の指は40gで430円。6本入っていました。
 
「みんな悩んで、大きくなった」を感じられる? 公園
 物事を考えるのにぴったりの公園があるという情報をキャッチしたウォッチャー。バスを使って中野通りを南下した先に、その公園を見つけました。名前は「哲学堂公園」。いかにも、思索にふけるのにもってこいの名前ではありませんか。
  1906年(明治39年)、哲学者であり、東洋大学の創始者でもある井上円了(いのうえ えんりょう)がこの地に四聖堂という小堂を建てたことをきっかけに、順次公園として整備されていきました。「四聖」とは孔子・釈迦・ソクラテス・カントのこと。いずれも有名な哲学者たちですね。
  園内には四聖堂をはじめ、哲学を体現する建築物や名所が点在しています。豊かな緑の中にあるそれらを巡って、ウォッチャーもあれこれと考え事をしてみました。広々とした園内は散歩にうってつけです。
  道中、ベンチで読書するおじいさん、はしゃぎまわる子どもたち、テニスコートで汗を流す若者などに会いました。それはいたって普通の公園の光景かもしれません。しかしその「普通」が、哲学とは決して遠い存在ではなく、身近な存在なのだと教えているように感じられました。
[哲学堂公園]
中野区松が丘1-34-28/03-3951-2515/8:00〜18:00(4/1〜9/30)9:00〜17:00(10/1〜3/31)※12/29〜12/31は休園)
四聖堂。毎年4月と10月には内部が一般公開されています。
園内にはちょっとした池や噴水も整備されています。
 

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漫画と東長崎の深い関係
 冒頭で少し紹介しましたとおり、ここ東長崎にはかつて「トキワ荘」というアパートがありました。1952年(昭和27年)に建てられた2階建ての木造アパートに、手塚治虫、赤塚不二夫、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A(※)、石ノ森章太郎といった、漫画界の巨匠と呼ばれるような人たちが住んでいたのです。
  現在はすでに取り壊され、別の建物となっています。しかしトキワ荘は、漫画界の「聖地」として今も話題になるほどなのです。
  そのトキワ荘の記念碑「トキワ荘のヒーローたち」が、2009年(平成21年)4月に完成したと聞いて訪れたのが「南長崎花咲公園」。公園の一角に、トキワ荘の模型、住んでいた人の似顔絵、サインを記した記念碑が飾られています。トキワ荘の間取りや、どの部屋に誰が住んだかということまでわかり、当時のトキワ荘の姿が思い浮かぶようでした。
  また、トキワ荘の住人だったわけではありませんが、横山光輝も45年もの間豊島区に居を構えていた、この地にゆかりの深い漫画家です。千早図書館には、彼の著した「鉄人28号」のロボット像が飾られています。その存在感で、通りがかる人たちを楽しませていました。
(※)正確には、○(まる)の中にAを入れた字
[南長崎花咲公園]
豊島区南長崎3-9-22
[千早図書館]
豊島区千早2-44-2/03-3955-8361/火〜金9:00〜19:00(土日祝は〜17:00)※月曜休館
「トキワ荘のヒーローたち」の記念碑。トキワ荘は当時、観光客が訪れるほどの人気だったそうです。
玄関を入ると鉄人28号がお出迎えしてくれる、千早図書館。
 
 
斜めの屋根が目印の江古田陶房。広い窓から見える作品の多くは生徒によるものなのだそうです。
作業台のまわりには、作成中の陶器や電動ろくろ、焼き上がり後の色味を見るためのカラーチャートなどが並べられていました。
[江古田陶房]
練馬区旭丘1-65-3/03-3950-1146/開講日はHPよりご確認ください
作品のサンプル。隔月で開かれる講座で、装飾の技法を学ぶこともできます。
気さくにお話をしてくださった、代表の西村真一郎さん。その笑顔から、アットホームな教室の風景が想像できました。
 「サラリーマンを引退したあとは、ものづくりの教室を開きたいと考えていました」と話すのは、陶芸教室「江古田陶房」の代表、西村真一郎さん。「自分なりに一生懸命作ったものが形になる楽しさを知ってもらいたいと思っているんです」。
  そうした思いから、西村さんが江古田陶房をはじめたのが2002年のこと。西村さんと講師の方の2人で、現在約100人の生徒に陶芸を教えています。「20代から80代まで、男女とも幅広い年齢層の方がお越しになるんですよ」と西村さんはいいます。
 はじめて江古田陶房を訪れた人の多くが作陶を体験する「一日体験コース」。この一日体験で陶器ができるまでには大きくわけて7つの作業があります。簡単に紹介しましょう。
【1】ろくろを使って粘土を器の形に整える(手びねり)
【2】粘土を乾かす
【3】かんなを使って器の土台を作る(削り)
【4】装飾を施す(絵付け)
【5】素焼きをする
【6】釉薬(うわぐすり)を掛ける
【7】本焼きをして、できあがり
  一般的な陶芸教室の一日体験では、【1】の手びねりのみ体験して、【2】〜【7】の作業はプロが行うことが多いのだそうです。しかし、江古田陶房では【1】〜【4】までの作業ができます。「手びねりだけなら1時間程度ですが、装飾まで行うとおおよそ2時間半と、時間は確かにかかります。しかし、それらの作業も自分ですることで、より『この陶器は私が作った!』と満足していただけるのではないでしょうか」と西村さんは自信を持っていいます。
 一日体験を通してできあがった陶器はまさに100人100色、きれいな形もあれば、ちょっといびつな形もあります。一風変わった色や模様のものも。「それも個性ですから、手を貸してほしいといわれない限り、こちらで手を加えることはしません。目標は、『自分の作りたいものが見つかる教室』です」。
  戦前からこの地に住んでいる西村さん。「桜並木は昔からきれいですね。子どもの頃はよく近辺で遊んだものです。最近では新しい店舗も増えました。特に若い人にとっては住みやすいところになったと思います」とおっしゃっていました。
  芸術と縁のあるこの地で、これからもたくさんの「オンリーワン(椀?)」が生まれていくことでしょう。
※掲載の内容及び外部リンク先は平成22年1月28日(木)現在のものです。

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